CMS移行は、Webサイトの管理や運用を効率化する手段の一つです。自社の課題や目的に合ったCMSへ移行できれば、成果にもつながりやすくなるでしょう。
本記事では、CMSを移行するパターンや移行の具体的な手順、費用の目安を解説します。CMS移行をスムーズに行うポイントもご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
CMS移行は、CMSを新たに導入して通常のWebサイトから移行するパターンと、既存CMSから乗り換えるパターンがあります。それぞれ解説します。
CMSを用いずにHTMLでWebサイト制作を行っている場合は更新作業に多大な手間やコストがかかるため、新たなCMSに移行することで効率化を図れます。
CMSを使用しない場合、直感的に操作できず、文字装飾などもすべてHTMLで記述するなど記事の追加やデザイン変更に専門的な知識が求められます。そのため、社内にノウハウがない場合は外注による運用コストを負担しなければならない、社内で更新ができないため迅速な対応が難しいなどの問題が生じるでしょう。
このような問題がある場合は、CMSに移行すると更新作業をスムーズに行えるようになり、運用を効率化できます。
Webサイトの更新頻度を上げたい場合やマーケティング活動を強化したい場合には、特に効率性が求められるため、CMSへの移行を検討すると良いでしょう。
現在使用しているCMSの使い勝手が悪く業務効率が低下している場合も新しいCMSへの変更が有効です。具体的には、次の問題が挙げられます。
日々の業務負担を軽減し、Webサイトの運用にかかる時間を短縮するためには、自社に必要な機能やノウハウを持つ人材とその知識量などを見極め、最適なCMSへの切り替えを検討しましょう。
CMSの移行は、次の6つの手順で進めます。
CMS移行では、その目的を明確にすることが重要です。目的が曖昧では、必要な機能や要件を定義できず、不十分な移行になる可能性があるためです。
現状の課題を洗い出して目的を明確にすれば、新たなCMSに求める機能や要件が明らかになります。「業務効率化」「SEO強化」など、具体的に目的を定めましょう。
CMS移行では、自社のニーズや課題解決に最適なCMSを選定することが大切です。CMSにはさまざまな種類が存在し、製品ごとに特徴や機能が異なるため、目的や運用体制に合った製品を慎重に選びましょう。
代表的な選定ポイントは次の通りです。
操作性を重視する場合は直感的に操作できるUIの製品、カスタマイズ性を求める場合は柔軟に設定できる製品を選びます。
自社に合ったCMSを選定できれば、業務効率の向上やコスト削減など効果的な運用が可能になります。複数の製品を比較検討し、自社に最適なCMSを見極めましょう。
おすすめのCMSや比較するポイントは、次の記事で詳しく解説しているので、参考にしてください。
移行前に、Webサイトのすべてのページを一覧で確認し、移行するページやコンテンツを決めます。不要なページや古いコンテンツを残すと作業工数やコストが増え、移行後のWebサイトの管理が煩雑になるためです。また、このようなページが残っていると移行後のSEOに悪影響を及ぼす可能性があります。
続いて、CMSの移行計画を立てます。計画を立てることで移行の進捗を把握でき、スケジュールを管理しやすくなります。
移行計画には次の項目を記載します。
なお、移行中のトラブルに備えて、繁忙期やWeb経由の集客が増える時期は避けて移行を実施することをおすすめします。
移行中のデータ喪失に備えて、移行作業を行う前にデータをバックアップしておきましょう。
CMSの移行には、次の方法があります。
一般的には、データを1つずつ手作業で移行する方法が用いられます。ただし、WordPressを既存CMSとして使っている場合は、CSVやプラグインによるデータ移行が便利です。
なお、CSVによるデータ移行は専門的な知識を要するため、社内に適任者がいなければWeb制作会社への外注を検討しましょう。移行データが多い場合も、外注を利用するのがおすすめです。
最後にテスト公開を行い、問題があれば本公開前に修正します。
具体的には、デバイスごとの表示、問い合わせフォームの動作の確認などを行います。
また、公開後にトラブルが発生した場合に備えて、対応担当者の連絡先などを確認しておきましょう。
CMS移行時にかかる費用は、主に次の5つです。
移行費用は、10ページ以下の小規模サイトで30~100万円程度、30~50ページ程度の中規模サイトで200万円程度、100ページ以上の大規模サイトで500万円以上といわれています。
各費用の相場を表にまとめています。制作会社によって費用は大きく異なりますが、大まかな目安として参考にしてください。
CMS移行をスムーズに行うには、次の5つのポイントを意識しましょう。
前述の通り、CMSの移行作業や将来的なWebサイトの管理を容易にするためにも、移行するWebページやコンテンツを絞りこむ必要があります。
記事のタイトルやPV数、コンバージョン率などを一覧にしてリストを作成しましょう。訪問者数が少ないWebページや古いコンテンツは移行の対象から外します。一方で、コンバージョン率が高いWebページや顧客にとって価値が高いコンテンツは移行を優先させると良いでしょう。
CMS移行中は予期できないトラブルやエラーが生じる可能性があるため、必ずデータのバックアップをとりましょう。
クラウドストレージや外部ドライブなど複数の場所にデータを保存しておくと、データ消失のリスクを抑えられます。
Webサイトや各ページのURLは、可能な限り変更しないようにしましょう。URLの変更にともない検索エンジンがページを再評価する必要が生じると、検索順位が一時的に低下する可能性があるためです。また、変更後のURLが正しくリダイレクトされないと、ユーザビリティの低下にもつながります。
URLを変更せざるを得ない場合は新URLに301リダイレクトの設定を行い、ユーザーがスムーズにアクセスできるよう導線を整えましょう。
CMS移行にともない、リンク切れの確認も行います。リンク切れが生じたままでは、ユーザーは必要な情報にたどり着けないため、Webサイトの信頼性が低下する可能性があるからです。また、リンク切れがあると検索エンジンからの評価が下がり、SEOに悪影響を及ぼすリスクもあります。
CMS移行に際して起こりやすいのが、移行しなかったページへのリンクの残存やURL変更による内部リンクの設定ミスです。移行後は、すべてのリンクが正しく動作しているかを必ず確認することが大切です。
CMSの移行にともないサイトリニューアルを検討している場合は、移行後に行いましょう。
移行前にリニューアルすると、新たなCMSではデザインや設計を適用できず、再度Webサイトを構築しなおす必要が生じる可能性があるためです。
CMS移行を進める準備ができれば、テンプレートやCSS設定を行いリニューアル後のデザインを確定しましょう。以降の作業はテンプレートを用いて行えるため、サイトリニューアルに向けた作業を効率的に進められます。
CMS移行には、時間と費用がかかります。移行の目的を明確にしたうえで、自社のニーズに合ったCMSを慎重に検討することが大切です。
HubSpotのContent Hubは、AI搭載のCMSでコンテンツ制作業務の効率化を強力にサポートします。また、SEO対応やA/Bテストなど、マーケティングに役立つ機能が豊富に搭載されており、専門知識がなくても利用できます。
WordPressを使用したWebサイトを運営している場合は、Content Hubで制作したコンテンツをそのまま自社のWebサイトに埋め込む機能があるため、移行作業が不要です。
移行作業の手間がCMS導入の障壁になっている場合は、ぜひContent Hubをご検討ください。