CMSのテンプレートとは、Webサイトのデザインを構築するひな形のことです。Webデザインやプログラミングなどの専門知識がなくても、洗練されたデザインのサイトを容易に制作できます。


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機能やデザイン、期待できる効果は選択したテンプレートによって異なるため、料金によるサービス内容の違いや選定時のポイントを理解したうえで利用することが重要です。
本記事では、CMSのテンプレートの概要や選び方のポイント、注意点を解説します。CMSの導入をご検討中の方は、ぜひご覧ください。
CMSにおけるテンプレートとは
CMSにおけるテンプレートとは、Webサイトをデザインするひな形のことです。サイト全体のデザインやレイアウト、配色、フォントといった要素を簡単に設定できます。
例えば、HubSpotのContent Hubに使用可能な「ウェブサイトテーマ」「ページテンプレート」は、CMSテンプレートの一種です。
出典:無料のウェブサイトテーマ | HubSpot(ハブスポット)
WordPressでは、「テーマ」がテンプレートに該当します。
出典:WordPress公式
CMSテンプレートは、デザイン性の高いサイトを短時間で構築し、効率よくサイトの運用を始められる点がメリットです。特に、Webデザインの専門知識を持つ人がいない企業にとって、テンプレートは欠かせないツールといえます。
テンプレートを利用すると、各ページで共通するデザインを毎回設定する必要がないため、画像や文章などのコンテンツを入力するだけで統一感のあるページが作成できます。デザインを変更したい場合も、テンプレートを変更するだけで調整や更新が可能です。
デザインやカスタマイズ性などは、テンプレートによって異なるため、自社サイトの目的や企業イメージに合うものを選びましょう。
CMSのテンプレートを活用するメリット
ここでは、CMSのテンプレートを使用する主なメリットを4つ解説します。
- HTMLの知識がなくても簡単にサイトを作れる
- サイトに統一感が出る
- SEOの基本を抑えたサイトが構築できる
- 運用コストを抑えられる
HTMLの知識がなくても簡単にサイトを作れる
テンプレートの利用には、HTMLやCSSなどの知識が必要ありません。一般的に、Webサイトの制作にはWebデザインやソースコードを記述する「コーディング」と呼ばれる作業が必要です。CMSのテンプレートを活用する場合は、あらかじめ用意されたレイアウトやデザインを選択するだけで、デザイン性の高いサイトが制作できます。
管理画面で編集や更新も可能で、初心者でもサイト運営がしやすいでしょう。
サイトに統一感が出る
Webサイト全体の統一感を保つうえでも、テンプレートの活用は有効です。テンプレートにはヘッダーやフッターのデザイン、フォントや配色などが事前に設定されており、サイト内でのデザインのばらつきを防げます。
例えば、複数の担当者がそれぞれコラムを更新する場合でも、テンプレートを使用すると全体のデザインが統一され、見やすいページになります。ユーザーエクスペリエンスが向上し、滞在時間の増加やコンバージョン率の向上につながる可能性も高まるでしょう。
CMSによって用意されているテンプレートの特徴が異なるため、自社の目的や取り組みに合ったものを選ぶと良いでしょう。
SEOの基本を押さえたサイトが構築できる
SEO(検索エンジン最適化)とは、検索エンジンでサイトを上位に表示させるための施策のことです。検索エンジンからの評価を高めるには、検索エンジンを巡回するクローラーがサイトをスムーズに読み込めるよう、適切な構造でサイトを設計する必要があります。
多くの場合、CMSのテンプレートはSEOのポイントを押さえた標準的な構造になっているため、専門知識がなくてもSEOに配慮したサイトの構築が可能です。
運用コストを抑えられる
多くのCMSのテンプレートは、誰でも簡単に操作ができるようシンプルな設計になっています。HTMLやCSSで構築されたサイトのように、情報の更新や修正を外注する必要がなく、運用コストを抑えられます。
新しいページを作成する際も、テンプレートを活用することで素早く統一感のあるデザインを適用できます。外注費用の削減だけでなく、社内の作業時間の短縮にも役立つでしょう。
CMSのテンプレート選びのポイント
各CMSには、多くの種類のテンプレートが用意されています。ここでは、自社サイトのテンプレートを選ぶ際のポイントを5つ解説します。
- デザインが自社のイメージに合うか
- 必要な機能が備わっているか
- レスポンシブデザインに対応しているか
- 操作性が良いか
- SEO対策がされているか
デザインが自社のイメージに合うか
サイトのデザインは訪問者の第一印象を左右する重要な要素です。自社のコーポレートカラーやロゴと、配色やフォントがマッチしているテンプレートを選びましょう。CMSによっては、公式サイトでデモ版を確認できるものもあります。
ブランドイメージと合わないデザインのサイトになってしまうと、訪問者が混乱する可能性もあるため、あらかじめ完成イメージをしっかりと確認しておきましょう。
必要な機能が備わっているか
テンプレートを設定する前に、サイトの目的や用途に必要な機能がそろっているかどうかをチェックしましょう。
例えば、ECサイトを作るなら、決済機能が付いた商品ページや商品検索、売上ランキングの表示などに対応したテンプレートを選ぶとスムーズに構築できます。
ただし、決済機能や多言語ページの生成機能、外部ツールとの連携機能などは、対応しているCMSが限られているため注意が必要です。
HubSpotのContent Hubは、CRM(顧客関係管理)ツールやMA(マーケティングオートメーション)ツールとシームレスに連携できるCMSです。CRMデータの活用により、パーソナライズしたコンテンツの制作が可能です。豊富なテンプレートが用意されているほか、AIによるブログ生成機能なども搭載しており、コンテンツをスムーズに作成できます。
レスポンシブデザインに対応しているか
レスポンシブデザインとは、閲覧する端末の画面サイズに応じて、自動でレイアウトを調整する機能のことです。
スマートフォンからサイトを閲覧する人は多いため、レスポンシブデザインへの対応は必須といえます。Google などの検索エンジンからの評価を高めるうえでも重要です。
CMSのテンプレートは、レスポンシブデザインに標準対応しているものがほとんどですが、念のため確認しておきましょう。
操作性が良いか
CMSは、直感的に操作できることが大切です。コンテンツの更新や変更が簡単にできるかどうかを、テンプレートのサンプルなどで試してみましょう。
操作性に優れているCMSを導入すると、さらなる効率化が期待できます。
SEO対策がされているか
CMSテンプレートは、基本的にSEOの基本を押さえたサイト構造になっていますが、次の3つのポイントを押さえておくと、さらに検索エンジンから評価されやすいサイトになります。
- ページの表示速度が速い
- レスポンシブデザイン
- パンくずリスト(ページの階層を示すリンク)の自動生成
特に、モバイルフレンドリーなデザインは、Google の検索品質評価ガイドラインGeneral Guidelinesにも記載されており、重要視されているポイントです。機能面でSEO対策が整ったテンプレートを活用することで、検索エンジンでの上位表示を目指しやすくなり、結果的にサイトの訪問者数の増加も期待できるでしょう。
無料・有料のCMSテンプレートの主な違い
無料と有料のCMSテンプレートでは、主にコストやカスタマイズ性、サポート体制に違いがあります。ここでは、それぞれのメリットとデメリットを取り上げて、違いを具体的に見ていきましょう。
必ずしもここで紹介するメリット・デメリットがあてはまるとは限りませんが、ひとつの傾向としてチェックしておきましょう。
無料テンプレート
無料テンプレートは、コストを抑えられる点がメリットです。一方で、機能やサポートに制限がある場合もあります。
【メリット】
- 導入コストがかからないため初期投資を抑えられる
- 無料で複数のテンプレートを試せる
【デメリット】
- 高度なカスタマイズが難しく、デザインに独自性を出しにくい
- SEOやモバイル対応といった機能が十分ではないテーマもある
- アップデートされない、サポートが終了するなどのリスクがある
アップデートの日付が古いテンプレートは、SEOの面で最適化されていないことがあります。検索アルゴリズムは日々変化していくため、SEOの観点からは、定期的なアップデートや機能追加がある有料テーマのほうが適しているといえるでしょう。また、システムの脆弱性が放置されている可能性もあるため、注意が必要です。
有料テンプレート
有料テンプレートは、デザイン性の高いサイトを構築したい場合に向いています。
【メリット】
- デザイン性の高いテンプレートが豊富に用意されている
- カスタマイズがしやすい
- SEOやセキュリティなどの高度な機能が備わっている
- 定期的なアップデートでセキュリティや機能の改善が期待できる
- サポートが充実している
【デメリット】
- 導入に1万円~3万円程度の初期コストが発生する
- 月額制や年額制のテンプレートの場合はランニングコストがかかる
カスタマイズ機能やサポートが無料テンプレートよりも充実しているものが多いため、効率的な運営を求める場合は有料テンプレートを探してみましょう。セキュリティの面でも安心して利用できます。
CMSのテンプレートを利用する際の注意点
CMSのテンプレートを導入する際には、次の2つの注意点を押さえておきましょう。
サイトの移行が難しい
既存のHTMLサイトをCMSに移行する場合は、データの移行作業に手間と時間がかかります。
ページごとにコンテンツやリンクを再設定する必要があり、データの移行時にファイルを誤って削除するなどのミスが発生するリスクも考えられるでしょう。
社内にITの専門知識を持った人がいない場合は、外部のWeb制作会社に相談しながら慎重に計画を進めましょう。
HubSpotのContent Hubなら、CMSで制作したコンテンツを既存のWebサイトに埋め込むことができるため、サイト移行の必要がありません。移行作業の手間なくCMSを導入したい方は、まずは無料プランでContent Hubをお試しください。
カスタマイズが制限される
CMSのテンプレートを利用する場合は、カスタマイズに制限がある点にも注意が必要です。テンプレートは統一感のあるデザインを提供できる一方で、大きな変更が難しい仕様になっていることがあります。
テンプレート内のデザイン要素やレイアウトは、あらかじめ設定された形式にもとづいているため、大幅な変更は困難です。また、特殊なページデザインやレイアウトの構築にも向いていません。
デザインや設計の自由度にこだわりたい場合は、テンプレートを使用せずにオリジナルのサイトを構築する方法がおすすめです。
CMSテンプレートを活用してWebサイトの制作・運用を効率化しよう
CMSテンプレートは、専門知識がなくても統一感のある洗練されたデザインのWebサイトが簡単に制作できる便利なツールです。導入・運用コストの削減にもつながります。
テンプレートを選ぶ際には、自社のイメージに合ったデザインであること、必要な機能が備わっていること、操作がしやすいことなどを基準にしましょう。また、無料テンプレートと有料テンプレートの違いを理解し、予算や目的に応じて選択することが大切です。
HubSpotのContent Hubは、無料プランから開始できるCMSです。数百種類の豊富なCMSのテンプレートから、業種や目的に合ったものを選択できます。シンプルな操作画面で使いやすさにもこだわっていますので、ぜひお試しください。