CMS(コンテンツマネジメントシステム)は種類が豊富ですが、なかでもインターネット経由で利用できるクラウド型CMSは、導入コストを抑えやすく、自社でサーバーを用意する必要もないことから注目を集めています。


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本記事では、クラウド型CMSの概要やメリット・デメリット、選び方を解説し、代表的なクラウド型CMSを紹介します。クラウド型CMSについて詳しく知りたい方は、ぜひご覧ください。
クラウド型CMSとは
クラウド型CMSとは、インターネット経由で利用できるCMS(コンテンツマネジメントシステム)のことです。ベンダーが提供するサーバーを使い、Webブラウザ上でCMSの機能を利用します。
すでにクラウドサービスとして提供されているCMSツールを選び、ライセンス契約して利用します。そのため、自社サーバーを構築した場合と比べて導入のハードルが低いのが特徴です。自社でサーバーやシステムの保守管理を行う必要もなく、社内にITの専門知識を持った人材がいなくても使用できます。
CMSには、クラウド型CMSのほかに、自社でサーバーを構築・管理するオンプレミス型と、ソースコードが無料で公開されているオープンソース型があります。
クラウド型CMSのメリット
クラウド型CMSには、次のようなメリットがあります。
- 導入コストを抑えられる
- すぐに運用を開始できる
- メンテナンスの負担が少ない
- 運用方法の変更がしやすい
- トラブル時の復旧がスムーズ
それぞれ詳しく見ていきましょう。
導入コストを抑えられる
クラウド型CMSは、すでに開発されているソフトウェアをインターネット上で使用する仕組みになっています。
サーバーの構築やプログラミングなどの開発にかかるコストがないため、導入コストを抑えられるのがメリットのひとつです。特に、コンテンツマーケティングの初期段階では、集中してコンテンツの数を増やす必要があります。そのぶん、制作費用が高額になるため、CMSの費用を抑えられることは予算が限られている企業にとって大きなメリットといえます。
すぐに運用を開始できる
ライセンス契約をするだけで、すぐに利用を開始できることも、クラウド型CMSが注目を集めている理由のひとつです。
また、直感的に操作できるように工夫されているCMSが多いため、ツールを使用するメンバーの教育に必要な期間も短縮できます。
メンテナンスの負担が少ない
クラウド型CMSの保守管理を担当するのは、サービス提供者であるベンダーです。次のような作業はベンダーに任せられるため、メンテナンスの労力をかけずに常に最新のシステムを利用できます。
- セキュリティ対策
- 定期的なアップデート
- サーバー運用
- バックアップ
- 不具合対応
- 障害復旧
運用方法の変更がしやすい
クラウド型CMSは、ビジネスの成長に合わせたシステム規模の拡大・縮小が簡単に行えるのもメリットです。
アカウント数やファイルストレージの容量の違いで、複数のプランが用意されているケースが多く、ニーズに合ったプランを選ぶことで費用対効果も高められます。機能の追加や技術的なサポートなどは、必要に応じてオプション契約が可能です。
トラブル時の復旧がスムーズ
ベンダー側のサーバーは、災害時やサイバー攻撃などのリスクに備えて複数の拠点で管理されているのが一般的です。また、定期的なバックアップも行われているため、トラブル時にも速やかな復旧が期待できます。
ただし、セキュリティ体制やトラブル時の対応は、ベンダーによって異なります。ツールを選定する際に必ず確認しておきましょう。
クラウド型CMSのデメリット
クラウド型CMSには、次のようなデメリットがあります。
- カスタマイズの自由度が低い
- セキュリティ対策の制約がある
- システム障害の影響を受ける
特徴を正しく理解したうえで、適切な対策を講じましょう。
カスタマイズの自由度が低い
クラウド型CMSは、ベンダーが提供する機能の範囲内でしか利用できません。機能や設定の選択肢が限られることは、理解しておく必要があるでしょう。また、自社開発の独自システムと連携させるなど、特殊なカスタマイズには向いていません。
機能が豊富で、さまざまな外部システムとの連携が可能なCMSを選ぶことで解決できる場合もありますが、上位プランやオプションの契約が必要になることがあります。機能の拡張や外部システムとの連携など、細かい点についてはベンダーの営業担当者に質問してみると良いでしょう。
セキュリティ対策の制約がある
クラウド型CMSは、ベンダーによるセキュリティ対策が行われていますが、自社独自のセキュリティ対策は行えない点がデメリットです。ベンダーのセキュリティ対策に依存するため、選んだサービスによってはリスクが生じる可能性があります。
クラウドCMSを選定する際には、ベンダーがどのようなセキュリティ対策を行っているか、入念に確認することが重要です。セキュリティ対策について個別の要件がある場合は、営業担当者に問い合わせるなどの方法で事前にチェックしておきましょう。
システム障害の影響を受ける
クラウドCMSは、システムの保守運用をベンダーが行うため、システム障害が発生するとサイトの閲覧や更新ができなくなる可能性があります。
サーバーの稼働率やサポート体制を確認することで、システム障害の影響を低減させることができます。導入実績が豊富で、信頼度の高いCMSを選ぶことも大切です。
クラウド型CMS選定のポイント
クラウド型CMSを選ぶ際は、次のポイントを確認しましょう。
- 機能性
- 導入実績
- サポート・セキュリティ体制
機能性
クラウド型CMSには、さまざまな機能があります。高機能なCMSに魅力を感じるかもしれませんが、大切なのは自社のニーズに合った機能がそろっているかどうかです。
将来的なビジネス規模の拡大・縮小も考慮しながら、中長期的に運用できるツールを選びましょう。例えば、月額利用料が極端に低いCMSは、追加できるユーザー数が限られていたり、コンテンツの保存容量が少なかったりすることがあります。
その他、SEO対策やサイト内検索、フォーム作成機能など、細かい機能や操作性も事前にチェックしておくと良いでしょう。アクセス解析ツールと連携が可能かどうかも重要なポイントになります。
導入実績
導入実績は、ツールの信頼性を判断するうえで重要な要素です。導入数だけでなく、市場シェアや顧客のレビューも確認しましょう。
特に同業種やビジネス規模が近い企業に選ばれているツールは、自社のニーズにも合っている可能性があります。また、似たような課題を持っている企業の成功事例が掲載されていると、導入後のイメージがしやすくなります。
顧客の声や事例紹介を参考にして、自社に合ったツールを選びましょう。
サポート・セキュリティ体制
サポートやセキュリティの体制も、ベンダーによって大きく異なるため、必ず確認しておきたいポイントです。
サポートには、電話やメール、チャット、SNS、ビデオ通話などの方法があり、対応時間もベンダーによってさまざまです。連絡の手段が選択可能で、土日祝日にも対応可能なベンダーを選ぶことで、安心してCMSを利用できます。
セキュリティ体制は、ベンダーのサービスページに記載してあることが多いため、確認してみましょう。
代表的なクラウド型のCMSサービス
ここでは、代表的なクラウド型CMSを5つ紹介します。CMSを比較する方法については、次の記事をご覧ください。
WordPress.com(クラウド型WordPress)
WordPressには、「WordPress.org」と「WordPress.com」の2種類があります。
「WordPress.org」は、無料で使用できるオープンソース型のCMSで、自社サーバーやレンタルサーバーにインストールして使用します。
「WordPress.com」は、インターネットにアクセスして使用するクラウド型CMSで、サーバーへのインストールが不要なのがメリットです。Automattic社によって提供されており、独自のサポート体制やセキュリティ対策などの運用環境も整っています。
ただし、カスタマイズ性や自由度は、多くの利用者が導入しているオープンソース型の「WordPress.org」に比べて制約が多い傾向にあります。
公式サイト:https://wordpress.com/ja/
Content Hub
出典:HubSpot
Content Hubは、HubSpotが提供するクラウド型CMSです。利用者視点で使いやすさにこだわり、初めての方でも直感的に操作できます。
HubSpotの製品は、CRM(顧客関係管理)ツールが基盤となっているのが大きな特徴です。Content Hubとの連携によって、最新の顧客情報をもとにしたコンテンツの制作が可能です。コンテンツのパーソナライズやAIによるコンテンツ生成、SEOを意識したコンテンツの改善といったサポート機能も豊富に備わっています。
基本的な機能が使用できる無料プランがありますので、まずはお試しください。
公式サイト:https://www.hubspot.jp/products/content
BlueMonkey
出典:BlueMonkey
BlueMonkeyは、BtoB企業の見込み客の創出・商談創出に特化した国産のクラウド型CMSです。これまで2,300社以上に採用されています。
シンプルでわかりやすい管理画面で、ワードやパワーポイントに近い感覚で操作できます。専任の担当者によって、アクセス解析から施策立案までの充実したサポートが受けられる点もメリットです。
また、多層防御による高いセキュリティ体制が構築されているため、安全性を重視したい方にもおすすめです。
公式サイト:https://bluemonkey.jp/
Studio
出典:Studio
Studioは、ノーコードでWebサイトの構築や運用ができるクラウド型のWebサイト制作ツールです。10万以上のサイトで導入された実績があり、大手企業も多く含まれています。
CMS機能が搭載されており、コンテンツの作成・管理も可能です。直感的なデザインエディタで豊かな表現ができ、SEOにも対応しています。
「ISO/IEC 27001:2022」認証を受け、定期的に脆弱性診断を行うなど高いセキュリティ性を誇ります。無料で使用できるお試しプランがあるため、気になった方はチェックしてみましょう。
公式サイト:https://studio.design/ja/
Jimdo
出典:Jimdo
Jimdoは、個人や小規模事業向けのクラウド型CMSです。AIビルダー機能により、質問に答えるだけでAIによるサイトの自動生成ができます。日本語でサポートを受けることも可能です。
基本的な操作はドラッグ&ドロップで対応可能で、ジンドゥークリエイター機能によって、細部までこだわったカスタマイズにも対応しています。
豊富なデザインテンプレート、ブログやネットショップの構築機能、組み込みのSEOツールやアクセス解析など、多彩な機能を備えています。
公式サイト:https://www.jimdo.com/jp/
導入実績が豊富で信頼性の高いクラウド型CMSを選ぼう
クラウド型CMSは、すでに開発されたシステムを使用することから、導入のコストを大きく削減できます。また、登録するだけで、すぐに利用を開始できる点もメリットです。
一方で、搭載されている機能やセキュリティ対策、サポート体制はサービスの提供元によって大きく異なる点に注意が必要です。クラウド型CMSを選ぶ際は、導入実績や口コミなどを確認したうえで、信頼のおけるベンダーを選びましょう。
HubSpotは、世界135か国以上で24万8,000社以上の導入実績を誇ります。クラウド型CMSの導入をご検討の方は、HubSpotが提供するContent Hubをぜひお試しください。無料プランの範囲内でも、LP(ランディングページ)のテンプレートやAI搭載のブログ生成機能など、コンテンツの制作に役立つさまざまな機能をご利用いただけます。