楽しく暮らして脱炭素できたら最高じゃん。「TOKYO GX ACTION CHANGING 〜未来を変える脱炭素アクション〜」レポート 第17回
「脱炭素カレー」を食べて、考えてみる
【えっ】東京都が環境問題をカレーで解決しようとしてるっぽい
2025年05月18日 17時00分更新

カレーでいける? マジで?
これからの環境問題を解決する切り札。それは「カレー」です。
東京都は、“グリーントランスフォーメーション”の取組を加速させるための「TOKYO GX ACTION」を実施中。5月17日、18日の2日間は、東京ビッグサイトで「TOKYO GX ACTION CHANGING 未来を変える脱炭素アクション」を開催していました。
このイベントでは「ミライカレー2025」と題して、カレーの有名店がさまざまな「脱炭素カレー」作りに挑戦するという企画があったのですね(ミライカレー2025|CHANGING|TOKYO GX ACTION)。

会場のミライカレーブース
TOKYO GX ACTIONを実施しているのは東京都ですから、ざっくり言えば、東京都は環境問題をカレーで解決しようとしているわけです。……さすがに、ざっくり言い過ぎかな。
それにしても、カレーによって、どのように脱炭素社会に貢献するのでしょうか。公式サイトでは「カレーで解決する12のGXテーマ」と題し、12個の解決方法を挙げていました。

とにかくいろいろ解決しようとしているっぽい
たとえば、動物性の食材(特に牛肉)は、温室効果ガスの排出量が高いです。そこで、大豆など植物性原料で肉の味・食感を再現し、畜産によるCO2排出を抑制する「代替肉」の利用は筋が通っています。
流通に乗らない規格外野菜や魚介類もカレーにして煮込んでしまえばいいということで「規格外野菜」「未利用魚」の利用もわかりますし、輸送に伴うエネルギーの消費を抑えるとともに、ご当地カレーとして価値も向上する「地産地消」の重要性もわかります。

「Spice and Vegetable 夢民」は規格外の積極的使用をアピール

「CHIKYUMASALA」は廃棄野菜や代替肉を使用しているのがポイント
中には、「光合成で大気中のCO2を吸収する野草だって、カレーにすれば美味しくなる」とか、「脱炭素の取り組みは低カロリーにも繋がりもっとヘルシーになれる」とか、それは……言い過ぎではないか? と思うものもありましたが。
いずれにしても、我々になじみのある「カレー」という題材から脱炭素社会を考えてみようというのは、なかなかおもしろい試みだと感じます。
ソイミートやロス野菜を使用したカレーを食べる

ソイミートやロス野菜を使用した「eat for」
筆者が食べたのは、「eat for」のオリジナルカレー。
大豆ミート入りでおいしさはそのままに、からだにも地球にもやさしい一皿としています。自然災害や出荷先の変動により行き場の失った食材を積極的に利用しているのもポイント。
食べてみると、野菜が多め、大豆ミート使用ということもあるのでしょう、トマトの酸味とスパイスのほどよい刺激を活かした“ベジカレー”的な味わい。複雑な旨味があり、食べ飽きません。

このトッピングのカルビも代替肉
おもしろいのは、トッピングにも代替肉があること。代替肉のカルビをトッピングできました。見た目は完全に牛肉なのに、味はかなり大豆寄りです。食感は「牛肉と高野豆腐の中間ぐらい」という印象かなあ。

味には、やや大豆を感じました
でも、カレーと食べることで「これはこれでアリだな」という雰囲気もありました。
カレー、ポテンシャルがありそうな気がしてきた
始めのうちは「どうしてカレーなんだ……」と思っていましたが、我々の生活の範囲内で脱炭素アクションを考えたときに、カレーにかなりポテンシャルがありそうな気がしてきました。
植物性カレーを選ぶ・広めることで食の脱炭素化を推進できますし、調理の工程からいっても、地産地消の食材や規格外の野菜なども入れやすい。
おまけにカレー自体が保存がきくうえにリメイクもしやすいので、脱炭素社会の実現をめざす上でかなり有用な料理であることは間違いなさそう。

カレーを食べることから考えよう
これからの世界を生きる我々にとって、脱炭素社会の実現は大きな目標ですが、一人ひとりが無理せず、楽しく、続けられる工夫がないと「我慢」することになってしまいます。そうすると長続きしにくいもの。身近すぎる例えかもしれませんが、ダイエットと同じようなものです。
食べることは毎日のことだから、無理なく習慣にしやすいカレーを取り入れるのはいい発想かもしれません。
脱炭素の取り組みは、我慢や犠牲ではなく、小さな楽しさや工夫の積み重ねで大きな成果につながります。カレーを食べることから、カジュアルに始めてみるのも有効ではないでしょうか。

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