松本典子の「はじめよう!Azure Logic Apps/Power Automateでノーコード/ローコード」 第49回
Outlookコネクタに「下書き」アクション登場! 自動作成したメールを送信前に確認できる
Power Automateで自動作成したメール、Outlookに「下書き保存」するには?
2025年05月15日 11時00分更新
こんにちは、Microsoft MVP(Business Applications)の松本典子です。
Power Automateのよくある利用方法のひとつに「メールの自動送信」があります。「Office 365 Outlook」コネクタ(以下、Outlookコネクタ)の「メールの送信 (V2)」アクションを使えば、顧客への案内メールや社内での定期報告といった、繰り返し発生するメールの一斉送信業務を自動化することができます。
ただし、実際の業務現場では、「メールの作成までは自動でやりたいけど、送信は手作業で行いたい」という場面も少なくありません。たとえば、送信前に上長の内容確認が必要なケース、送信するタイミングを人間がコントロールしたいケースなどです。
この場合、作成したメールを「下書き」としてOutlookに保存してくれると便利ですが、これまでの「Outlook」コネクタにはそういうアクションが用意されておらず、手軽には実現できませんでした(Microsoft Graph APIを使う複雑な方法しかありませんでした)。
ところが先日、Outlookコネクタに、メールの下書きを操作する複数のアクションが追加されました。これを必要とするユーザーも多いと思いますので、今回はメールの下書きアクションについて、簡単なワークフローを作成しながら、基本的な使い方をご紹介します。
1. 事前準備
今回は、リストに登録された顧客宛に定型文のメールを作成し、下書きとして自動保存するフローを作ります。
Excelで上図のような顧客リストを準備し、OneDriveに保存しておきます。テーブルには「会社名」「メールアドレス」「担当者名」「住所」の項目を用意しました。
2. 今回作成するワークフロー
それでは、Power Automateでワークフローを作成していきましょう。今回のワークフローは上図のような形になります。
フローを手動でトリガーすると、Excelの顧客リストに書かれた情報を利用して定型文のメールを作成し、Outlookの下書きに保存します。
なお、今回はクラシックデザイナーの画面で説明していますが、フローはモダンデザイナーでも同じように作成できます。

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